5/13,ひろしま美術館に木彫の巨匠、平櫛田中(ひらくし でんちゅう)の特別展に行ってきました。
恥かしながら、彫刻の展覧会に行くのは初めてです。
どうしてこんな立体感覚を持っているのだろうか ?
絵すらまともに描けない私には、彫刻は神の世界です。
一瞬のポーズを創造し、そこに動的、情緒的、宗教的世界を刻み込む。芸術家の成せるワザです。
成長の継続とともに、作風は変化して行く。
107歳で歿するまで生涯現役を貫いた人生。
果たして私は生涯、ヨットを業として貫けるだろうか ?
どこに最終目標を持っているのだろうか ?
考えさせられます。凡人と言えども。
幸い生涯追求できる仕事があることだけは
幸福だと思いますが。。。。
「うでずもう」、左の鬼のお尻がとてもセクシー
4/22、はつかいち美術ギャラリーの高田力蔵展に
行ってきました。
ミレー、アングル、ブリューゲル等の名画模写展です。
模写展は初体験です。
模写の完成度批評よりも、絵画見聞のレパートリーを
広める意味でとても有意義でした。
一番興味を持った絵はピサネロの<デステ家の公女>です。
原画所蔵はパリのルーブル美術館。
廿日市在住の洋画家、山本美次さんの原画模写です。
濃い草花を背景に、パステルカラーのドレスの色合いが
絶妙に溶け合い、そこに蝶々が飛んでいる。
そして真横顔の中に神秘性を感じます。
レオナルド・ダ・ヴィンチより50年前に、こんな個性的な画家
がおったなんて、驚きです。
係の人に質問したら、偶然にもご本人が来場中でした。
詳しく教えて頂きとてもラッキーでした。
これからは山本美次画家のファンになりそうです。(笑)
引き込まれるように、魅入ってしまいました。
3/24、最後の教室となりました。
チャイコフスキーの「エフゲニー・オネーギン」、私が最も好きなオペラのひとつです。
あらすじを平ったく言ってしまうと、振った彼女が数年経ったら、魅力的な女性になっていたので、寄りを戻すべく哀願
するのですが、逆に振られてしまう。
そう、どこにでもある話です。
だからとても身近に感じてしまうんです。
オネーギン(彼氏)のような結末を迎えないように
するにはどうすれば良いかと。
やれやれ、この年になって。(笑)
ターニャ(彼女)は哀願するオネーギンを軽蔑しました。
彼にとって、「誇り」 と 「成長」 が 必需品だったのでは ?
すごーく現実的な話になってしまいましたが、当時(19世紀)
のロシアには、虚無的で社会を斜めに見るオネーギンの
ような、上流社会の問題児が一部ではいたのでしょう。
問題児と言えば、あのドン・ジョヴァンニもそうでしょうね。
ひさびさのフレミング(右)、すっかり綺麗になって魅力的でした。
2/24の教室はリハルト・シュトラウスの「バラの騎士」です。
どんな分野でも天才は多彩です。イチローは打つ事だけ
ではなく、守ること、走ること、投げることも超一流です。
ピカソも絵だけではなく、ポスター、版画、彫刻、焼物も
ほんとうにすばらしいです。
作曲界ではもちろんモーツァルトでしょう。
オペラ、宗教音楽、交響曲、室内楽、協奏曲、ソナタ等々。
R・シュトラウスもモーツァルトに近い多才ぶりでした。
彼のオペラは最初聴いていると、旋律のなさに幻滅を感じていました。しかし何度も聴いてみると、オーケストラの奏でる宇宙的な響きに、重唱のハーモニーに、モーツァルトには
ない別の魅力を感じるようになりました。
モーツァルトとワーグナーをミックスしたような
作風の「バラの騎士」。
こんな喜劇性を帯びたオペラの方が最近は好きです。
教材は'94ウイーン歌劇場、クライバー指揮、最高キャストです。
特にゾフィーを演じるバーバラ・ポニー(左)が可愛く、タマリマセン
2/23はひろしま美術館に、特別展・印象派と日本人画家たちの旅 「セーヌの流れに沿って」 を観て来ました。
午前10時ごろ車で着いたところ、何と美術館の数少ない
駐車スペースが空いており、タダで止めれました。
ラッキーです。WEEK DAYに行動できることはいろいろ
得な事があるものですね。 自由人バンザイ !! (笑)
私は正直言って、風景画よりも人物画が好きなんです。
人物画は何かを暗示している奥深さを感じるからです。
風景画の多い今回の特別展の中で、特に感じたのはモネの「満潮のプルヴィルの日没」です。
ピンクの絶妙な色合いがみごとです。
その他、ルソー、ドンゲンの絵にも親近感を持ちました。
さっそくルソーの画集の本と、そしてお気に入りの絵ハガキ
数枚を買って帰りました。
何か女の子みたい。(笑)
モネの 「満潮のプルヴィルの日没」
2/20の午後、広島紙屋町の星ビル5Fで北垣旬子さんの
「イタリア歌曲の調べ」を聴いてきました。
昨年の夏、彼女のリサイタルを聴き、ブログを書いたところそれが検索され、ご本人からお礼の手紙を頂いてしまいました。
インターネットってすごい威力があるものですね。
イタリアから彼女の恩師、ピアニストのカルロ・アルディッゾーニさんも駆けつけてのコンサートでした。
ドイツ歌曲よりも情緒的ですが、やはりオペラのアリアに
比べ一曲が短かすぎて、物足りなさは感じました。
ヨーロッパの町々ではこぢんまりしたコンサートが
随所で開かれていると思います。
個性ある歌い手は、ときどきは所属合唱団から飛び出して、
自らの発表の場を設けたら如何ですか ?
歌手寿命はとても短いんですよ。(笑)
このインターネットの時代、応援してくれる人は
沢山いると思います。
北垣さんの場合はその代表選手では。
会場はアンティーク品に囲まれたオルゴールティサロン
ボートショウ見学の最後の夜、オペラハウス「デュッセルドルフ・アム・ライン」で有名なプッチーニの「蝶々夫人」を
観劇しました。
ここでのオペラは、私のお決まりコースになりつつあります。
ヨーロッパのオペラハウスで大変驚くことがあります。
場内放送は一切ないのです。
開演10前とか、携帯電話云々とか、撮影禁止とか。
開演時間になると、客席が暗くなり、突然指揮者が
現れるのです。そして一礼した後、序曲が始まります。
もちろん運営スタッフはいますので場内のドアは閉まります。
二百年も前から、ずっと興行しているわけですから当然かも
知れませんが。。。。
でも西洋人の中に不必要な音(音楽であれ音声であれ)を、
自分の空間の侵害だと考える文化があると思います。
町でも、地下鉄でも余分な音楽、アナウンスは流れて
いません。必要な情報はあえて視覚に訴えています。
また人々は体が大きいのに小声でしゃべります。(笑)
日本の駅・列車内での過多なアナウンス。本当に何人の
お客がその情報を必要としているのだろうか ?
やかましくてプラットフォームで落着いて電話すらできない。
またある意味、我々は「子供扱い」されている訳です。
サービスとは何か ? 根本的に考え直すべきでしょう。
「静寂」というキャンバスの上に、日々の暮らし、文化芸術、スポーツ等が描かれるべきなのかも知れません。従って、
公共の場では本当に必要な音のみが許されるのです。
しかしその前提にはあるレベル以上の民度が必要でしょう。
さてさて少し興奮してしまいましたが、肝心のオペラの興味
はもちろん、どんなソプラノ歌手が蝶々さんを演じるかです。
今回はウクライナのナタリア・コバロバ(Nataliya Kovalova)さん。
声量たっぷりで気の強い蝶々さんを演じてくれました。
声色はドラマティックソプラノに近いと思います。
発声が非常に自然で、これからが楽しみな歌手です。
オペラハウスの舞台は奥が深いので、最近は少し傾斜
させて客席から見易く、そして立体的な演出をよく見ます。
今回もそうでした。
歌手の方々、どうぞ滑らないようにしてください。(笑)
ドレスの蝶々さんには少し違和感を感じました。
帯締めの着物姿でこそ、日本女性の持つ芯の強さを圧倒的に表現できると思いますが。。。。
日本は再度、ヨーロッパ文化を学びなおす必要があるのでは ?
赤い日本地図の上で、オペラは進行していきました。
写真SPACEが空いたので、話題のベネトウセンス50もご紹介
ライケルピュー設計、ツインラダーのチャイン艇です
12/21,県立美術館に「ポーランドの至宝」を観て来ました。
新聞等で人気の高いこの特別展は、Week Dayで
しかも雨天にもかかわらず、駐車場は満車状態でした。
私のお目当てはオランダ最高の巨匠の一人、レンブランドの
「額縁の中の少女」と「机の前の学者」です。
「額縁の中の少女」」は2004-2006年の調査で、
レンブランドオリジナルと確定しました。
またこの2点は、まだオランダ、ドイツ以外では公開されて
おらず、日本が世界で3番目のようです。
そんな理由もあってか、なかなか美術書には載って
いない絵です。
これから世界でブレークするかも知れませんね。
私の美術鑑賞はまだ、初歩の初歩の段階です。
正直言って、名画とそうでない絵の区別がなかなか
つきませんから。(笑)
一通り他の絵も観てから、再度観直しました。
30分くらいかな、集中して。
次第に、吸い込まれていく奥深さを感じました。
特に目が。
他の絵とははっきり違います。
音楽も絵画も、聴き入る、観入ることが
まずは大切ではないかと、改めて思いました。
1641年作 「額縁の中の少女」
1641年作 「机の前の学者」
12/16の教材は、ロッシーニの代表作 「セヴィリアの理髪師」でした。
彼の喜歌劇は底抜けに明るく、装飾歌唱もめずらしく、
結構楽しめます。
しかし、聴き続けていると、曲芸的な節回しに
飽きが来るのは私だけでしょうか ?
「装飾歌唱の声楽様式がドラマや言葉の理解の阻害要因
として批判の対象になりました。
結果的に19世紀のオペラの流れをドラマ重視に導いた。」
と音楽書には書いてありましたが。
ロッシーニに言わせれば、「これが私のオペラなんです。
それがどうかして ? 」
と言って反論するでしょうね。(笑)
スペイン人の演出はやはり、衣装の色彩もハデハデ。
12/09、世界的名手のヴィオラ奏者、今井信子さんのコンサートを聴きに行きました。
今井さんを知るきっかけは一枚のMDでした。
ウィーンのお土産に頂いたクッキーの中にMDが
入っていました。美しいヴィオラのソロでした。
ヘンデルのオペラ「リナルド」のアリア「私を泣かせてください」でした。
ヴィオラの持つ音色の美しさとともに、今井さんが世界的なヴィオラの名手だったのです。
モーツァルトがこよなくヴィオラを愛したことと、あいまって
彼女の自叙伝とも言える本 「憧れ」 を読みました。
まさに音楽への憧れの人生、そのものです。
その突進力、ただただ感嘆するばかりでした。
ステージ上の今井さんはキリッとしていて、
オーラを感じました。
美しい音色にも魅せられました。
世界を仕事場にできる事が、一流の証しでしょう。
今井さんは優秀な日本女性の象徴です。