今年のデュッセルボートショウ見学は、後半の
1/27(金) ~1/29(日)となった。
イスタンブール経由のトルコ航空は、昨年夏痛い目(テロ空港閉鎖)にあったので、今回はFINNAIRを使った。
土、日は会場が大変混むので、今日1/27(金)はまずヨット見学から始めた。
日本のヨット業界は相変わらず、沈滞ムードであるが、世界のレース界はまさに、イノベーションを起こしている。
アメリカズカップ予選に見るFOIL FLYING、ヴェンデーグローブのSEMI FOILING 等々。
クルージングヨットが変化していく様を、毎年確認すると、ますます工業製品化すると考えられる。
つまり快適性がより求められ、デザインで先行していたフランスが、工業力で優位に立つドイツに、追撃
されるのではと思う。
例えば、バッテリーの性能UPにより、将来的にはかなりの分野で、ディーゼルエンジン駆動からモーター駆動に移行していくのではないか ?
クルーザー/レーサーの世界では、より帆走性能も求められ、重量DOWNの為カーボン素材(ハル・デッキ・マスト他)の多様化、ファーリングギアの進化によるセールエリアの拡大等により、ボートスピードはかなり上がって行くだろう。と同時に高価にもなっていく。
一方では、「ヨットはよりSIMPLEで、LIGHTであるべき」 という思想で、開発を進めているメーカーもある。
いずれにしても、車業界、航空業界からの新しい技術導入により、ヨット・ボートはますます進化していくに違いない。
我々は常に勉強を怠ってはならない。
車業界ヴェバスト社のサンルーフ。
Hanse675
舵板に電動プロペラ装着、操船自由自在。
Hanse315
1月20日の夕方、メルボルンの夜、フランスの朝の
情報を、共にLIVEで見る事ができた。
メルボルンは19時55分。
全豪オープン、錦織圭の第3戦をNHKテレビで。
フランスは朝9時55分。
VENDEE GLOBE(単独無寄港世界一周ヨットレース)、
2nd FINISHのALEX THOMSON (hugo BOSS号)の、
凱旋入港シーンをINTERNETで。
特にALEXの入港シーンは感動的であった。
スタート後まもなく、右舷側FOILを失ったhugo BOSSを
リタイアさせず、しかも最後までTOP争いのレース展開
をし、ヨットファンを熱狂させてくれたのだから。
PRO VENDEE SAILOR とは、まさに彼のような人間の事を言うのでしょう。。。。
臨場感が伝わってくるLIVEを、しかも世界から複数同時に見る事ができるのは、大変幸福な時代でもある。
IMOCA60sは、もっともっと進化するだろう
4年後VENDEE GLOBE 2020-21が今から楽しみだ。
昔、トルコの軍艦が潮岬辺りで難破し、日本人が救助した話は漠然ながら知ってはいた。
紀伊大島にトルコ記念館があるのを知ったのは、10月下旬回航で串本港に立寄った時である。
12/3夜、芦屋マリーナでイベントが終わった後、和歌山まで走り、翌日は由良、御坊、周参見、そして串本まで車で足を延ばした。
ヨットで今までに訪れた漁港である。
苦労して入港した漁港ばかりである。
50年近く前の思い出も、蘇えってくる。
1890年9月16日夜、トルコ軍艦(木造)エルトゥールル号は熊野灘で台風による暴風雨に遭い、紀伊大島東端の岩礁で難波、587名が殉職、69名が日本の漁民に救助された。
私、ヨット乗りとして美談では済まされない。
これは天災ではなく、紛れもなく人災である。
航海日程を優先し、安全を疎かにした結果である。
成功が続いていても、ちょっとしたミスが命取りになる。
艇、乗組員の安全が第一で、時間は二の次である。
これはいつの世になっても、変わるはずがない。
自然は自分の思うようにはならない。
やっかいなものである。
いつも肝に命じておかねばならない。
潮岬を通過する時は、この遭難現場を思い出すだろう
高台の慰霊碑からは、いつも潮騒が聞こえる
11/18~11/20、ルイヴィトン・アメリカズカップ・ワールドシリーズ福岡大会が、博多湾で開催された。
幸運にも海上観戦のチャンスを頂いた。
小戸ヨットハーバーは、レース艇 x 6 のベース。
間近に見る事ができる。
メンセールは飛行機の翼に瓜二つ。
とても美しい。
ヨットハーバーの混雑ぶりは前代未聞らしい。
特に、女性用トイレは長蛇の列。
次回からは、簡易トイレも必要かも。(笑)
観戦艇が出港した後の、桟橋はもぬけの殻 ???
ヨットのSPEED UPがめまぐるしい。
アメリカズカップ。
ヴェンディー・グローブ。
ボルボオーシャン。
ひょっとすると、若者が興味を持ち、ヨット人気が回復するかも。。。。。 (笑)
メンセールを下ろせないAC45F、翌日まで振回し係留。
小戸マリーナの沖、朝日に輝くマサシク `ASAHI`
2015.7.3、地中海スペイン海岸5マイル沖で、
2014年進水のOyster825の2号艇が沈んだ。
事故報告がやっと、"Yachting World" 5月号に
掲載されていた。
全長82ft、船体重量約70T、キール18.4TのFRP艇。
Oyster Yachts と言えば、堅牢で信頼性の高いヨットの
はず、なぜこんな事故がおきてしまったんだろう ?
風速18kt,波高1.5mの悪天候ではない海域で。
ヒールすることにより、20Tに近いキールが起こすベンディングモーメントにより、オーバーラミネイト部を破壊し、ボトムスキンもろともむしり取ってしまっている。
横転・沈没するのに、そんなに時間は要らない。
実際、五六分の出来事であった。
スキッパーの冷静な対応で、犠牲者は出なかった。
原因はキールをささえる構造物の強度不足。
今まで我々は、ブランド名、大きさ、堅牢性(重さも含む)等で、安全性を評価している帰来があった。
これは全く根拠がない事に気が付かなければならない。
重いヨットは、当然キールも重くしなければならない。
横幅を大きく、フリーボードを高く、各種の追加装備をつければ、船体は当然重くなる。
昨今のプロダクションヨットの方向性に、
疑問を持ってしまう。
80ftをカーボンハルにすれば、船体重量は
約30tで出来上がる。
キールウエイトは、10Tで収まる。
ヨットは軽く、シンプルに建造するのが基本では ?
SPEEDはもっと上がるはず。
構造破壊図
引き上げられたキール
3/10~13、釜山国際ボートショウを見学に行った。
今回はBUYER登録をしたので、FLIGHT、HOTELはタダの
待遇を受けた。
ソウルボートショウは年々盛況らしいが、釜山の方は減少
気味。
ソウル地区にマリーナが、出来始めたのもその原因か ?
東京と大阪の関係と全く同じ。
会場の中のめぼしいものは、SOTO36CRと水陸両用の
ボートくらい。
SOTO36CRは3号艇で、2号艇は日本に輸入されている。
クォリティがまだまだ世界標準ではない。
ゲルコートの仕上がり、内装木材の材質、窓アクリルの
はめ込み技術等。
水陸両用のボートはユニークだ。
アメリカからボートを輸入し、韓国内で陸上走行に加工。
但し価格は2倍強になってしまう。
クレーンがなく、スロープのみのマリーナ、漁港保管には
有効である。
韓国は現在マリーナラッシュであるが、沢山のマリーナ
が出来上がった頃、ブームが去ってしまった日本の様には
なってほしくないものだ。
SOTO36CR。 社長の王さんに再開
25度傾斜スロープまで上るSPECになっている
3/3 ~3/6 は、 横浜国際ボートショウが開催された。
ベイサイドマリーナのフローティング会場で、
ウインクレルブースで営業応援。
最終日を除き、晴天に恵まれた。
土、日はかなりお客さんが多い。
関東在住の、外国人の多さにビックリした。
日本のヨット文化を、変えてくれる力になれば良いが。
2016ヨーロッパ・ボートオブザイヤー獲得のHanse315
1/25(月)、ウイークデイになったので、プロダクションヨットを一通り見た。
特にババリアが、ボートと共に展示し、ブースの特等席を占領していた。
勝負に出たのだろうか ? (笑)
Hanse315が "BOAT OF THE YEAR" を獲得したので、入念にチェックした。
個人的には、大型高級艇に興味があるので、今回10年
ぶりの出展であるSWAN60Sを皮切りに、CNB76, AMEL55, OYSTER575を見た。
大型高級艇は、「NO APPOINTMENT お断り」 であるが、名刺を見せ、そのヨットを褒め、日本のお客さんに是非紹介したいと言えば、すぐ営業担当者を呼んでくれる。 (笑)
これらのブースには、デザイナーのジャーマン・フレーズも顔を出していた。
この場に居れるだけで、別世界に行ったような気分に
なり、心地よさを感じた。
よく安心して外洋クルージングするにはどんなヨットが
良いのだろうか ? という質問を、フローティングショウ
等で受ける。
予算を度外視すれば、HR (ホーベルグラッシー),
OYSTER, AMELを提案しますが、今回もAMEL55を
見て最右翼と感じた。
ロングレンジ航行に特化したボートであることを、
改めて再認識できた。
惚れ込んでしまった AMEL55 。
縦長の連続窓が美しいOYSTER575。
1/23~1/31は、INDOOR最大規模のドイツ・デュッセル
ドルフボートショウ。
今年も4日間の予定で、1/23の初日から会場に入った。
土、日は非常に混雑するので、ヨット見学は後半にし、
小物・ウェア・メガヨット・チャーター・デザインブース・
絵画アート等から、じっくり見学を開始した。
ドイツのマリンウェアメーカー、MARINE POOLの展示
はユニークだ。
SHOW ROOMでナイスデコレーション。
お客を引寄せて、となりのホールに吊るしの即売場を
設ける手法。
おもわずオシャレカッターと、セーターを買ってしまった。
ブランドに弱い、我が性格。 (笑)
メガヨットのホールに行った。
昨年より大型艇が増えている。
本船を思わせるバルバスバウ。
最近の流行は船首の形状。
直立のラインが増えている。
極端なのは、まるで船尾ではないかと思ってしまうバウ。
YAMAHAのピアノがあった。
確認したら、やはりメガヨットブースに初出展との。
価格は小型のグランドピアノで約500万円。
以前女性のランジェリーコーナーもあったが、
同じ発想なんだろうか ?
いや、もう少しマジメなんだろう。
ピアノは手動でも、自動でも弾かれる。
大きな船室を、持て余す事無く活用してもらうために、
楽器メーカーまでも、参入してくるこの世界。
デザインブースではVOLVO OCEAN RACERを建造して
いる、イギリスのメーカーの人と話ができた。
スケアトップメインは、上半分しか仕事してないのでは ?
とか。
"J" をあんなに長くして、操船は大丈夫 ? とか。
会場を見学すると、ほんとうに多種多様な、
マリンカルチャーに触れることができる。
好きだ、嫌いだという、自分のフィルターを通さず、
すなおに受け入れる事が出来た。
本船ではありません。メガヨットです。
メガヨットに日本メーカーが。初めてではないか ?
船尾のような船首。
10/2(金)~10/4(日)、横浜ベイサイドでの
フローティングヨットショウに出掛けた。
ウインクレルの営業応援である。
今年はHanse345、Hanse455を出展。
特にH455は、国内初お披露目である。
輸入元ウインクレル社の、このデモ艇は多くのオプションを
装備し、ハル塗装、チークデッキを加え、見栄えを増していた。
Sun bed クッション、バーベキュウ用コクピットグリル・シンク等、チャーターボートそのものである。
チャーター会社の所有するヨットの中で、45FTクラスが
一番多いのもうなずける。
ほとんどの装備が着けられるMin.Sizeなのであるから。
H455はH445をモデルチェンジした、最も新しいデザインである。年間60隻進水は人気のあかし。
・ さらに豊富なオプション点数。
・ イノベーションデザイン。(例えばバルクヘッドをカーボン補強することで、マストサポートを廃止。サロン空間をより豪華、エレガントに。)
昨年にくらべ、購入を真剣に考えているお客様が増えて
いるような感じがした。
一時のユーロ安からもう3年経過してるので、
あの買い控えを多分忘れかけているのでは ?
新艇がもっと売れることが、国内ヨット界活性化の
絶対的条件の一つであることは間違いない。
瀬戸内海、沖縄等のチャータービジネスが今後10年位で、軌道に乗るだろう。
チャーター会社がまとめて新艇を買い、数年後には
中古艇として市場で再販される。
新しいマリンビジネスモデルが増えて来るのでは ?
決して日本ヨット界の未来は暗いものではない。
まじめにやって行こう !! (笑)
H455はモノハルでは出展最大
ステアリングベンチの下はバーベキュウ用
グリル内蔵、左舷側はシンクが
Sun bed クッションの収まりも良い