2015.7.3、地中海スペイン海岸5マイル沖で、
2014年進水のOyster825の2号艇が沈んだ。
事故報告がやっと、"Yachting World" 5月号に
掲載されていた。
全長82ft、船体重量約70T、キール18.4TのFRP艇。
Oyster Yachts と言えば、堅牢で信頼性の高いヨットの
はず、なぜこんな事故がおきてしまったんだろう ?
風速18kt,波高1.5mの悪天候ではない海域で。
ヒールすることにより、20Tに近いキールが起こすベンディングモーメントにより、オーバーラミネイト部を破壊し、ボトムスキンもろともむしり取ってしまっている。
横転・沈没するのに、そんなに時間は要らない。
実際、五六分の出来事であった。
スキッパーの冷静な対応で、犠牲者は出なかった。
原因はキールをささえる構造物の強度不足。
今まで我々は、ブランド名、大きさ、堅牢性(重さも含む)等で、安全性を評価している帰来があった。
これは全く根拠がない事に気が付かなければならない。
重いヨットは、当然キールも重くしなければならない。
横幅を大きく、フリーボードを高く、各種の追加装備をつければ、船体は当然重くなる。
昨今のプロダクションヨットの方向性に、
疑問を持ってしまう。
80ftをカーボンハルにすれば、船体重量は
約30tで出来上がる。
キールウエイトは、10Tで収まる。
ヨットは軽く、シンプルに建造するのが基本では ?
SPEEDはもっと上がるはず。
構造破壊図
引き上げられたキール